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  ******* 分類方法について *********
  高度化する作品群を整理分類し、進化を論じ、更なる発展を期すために、合理的な分類体系が
  必須である。
  では折紙における合理的な分類体系を行うにははどのようにすればよいであろうか。
  正確な分類をするためにはどのような特徴を手掛かりに分類をするかを明示することが重要である。
  折紙にはいろいろな特徴があるが、筆者としてはなによりも横分子の配置パターンが重要で
  あることを強く主張する。横分子とは円領域と本質的に同じであって、より現実の折線に即した
  概念である。今後の説明では横分子と円領域を混同して使う場面もあるが、両者は本質的に
  同じなのであえてそのような使い方をする。
 
  例えば図1にあげた2つの展開図は縦分子で分解すれば非常に異なったものに思える。
  しかし、図2のように横分子(円領域)で分解した場合両者は非常に似ている。
  図1と図2のどちらが本質的な特徴をあらわしているかという話になるとやはり、
  図2を推さざるをえない。それは図2は造形上極めて重要な大きなカドとその位置関係を
  直接あらわしたものであるからである。したがって作品の構造が決まれば図2の円領域は
  本質的に変わらない。このことは図2のような円領域が書き込まれた展開図を数多く見れば
  たやすく実感できる。一方、それに対応する図1の縦分子系は、色々なものが可能であって、
  縦分子系で見比べた時に受ける「違っているという印象」は実はかなり表面的なものである。
  もちろんじっくり見て注意深く考察すれば、図1の縦分子系からでも作品の構造に関する
  本質的な情報は得られるのだけれども、っていうか、その方法がまさに縦分子系を横分子系に
  変換して考えることだったりするので、結局、まともな分類をするためには横分子を
  手掛かりにするほかないのである。
 
  なお、もしも、作品Aが進化とか発展したのが作品Bだということが、
書いてあったとしても(できる限りこのような誤解を受けやすい表現は避けるが、)
  これは創作者が作品Aをもとに作品Bを作ったと言う意味では全くない。あくまで
  展開図上の類縁関係での話である。くれぐれも誤解なきよう願いたい。また、
  言うまでもない事であるが、分類上は単純な属に入っても、作品そのものの質や
  複雑さや技術水準とはまた別のものである。
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