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カミキリムシ属.(田中まさし)
原作者 田中まさし 



特徴                  
いまにも飛び跳ねそうな作品である。 その基本形段階のものを下側から見た写真は図2のようになるそうである。
図2を見ると一値性がはっきり現れている。図3の展開図でもそのことは確認できる。
図3の水色の部分は調整のために折る誤差修正部分である。
田中氏によると、ここの角度は展開図底辺を基準とすると、
下の水色が(52.01812度、59.03624度)、
上の水色が(5.67308度、18.19353度)となるそうである。
比較的後段階の造形操作の折線を、抜いて解釈しやすくしたのが図4である。



図4を縦分子分解したのが図5になる。
一値性が強いのは予想通りなのだが、腹部にあたる用紙中央部のカドを含む
大きな一値分子が目立つ。この辺は羽や胴体部の無理のない形に直接影響
している部分である。
また、この作品をみる者にとって、頭の折り出し方も注目すべきところであろう。
図5をみると、頭のカドが用紙内部に入っているのがわかるが、これは、さりげ
なさそうでいて、実は見逃せないところである。
こういう折り方をした場合は、用紙の余ったところ(一値性のないところ)がカドに
ゾデ状に付帯して、普通は邪魔なものになりやすいのだが、この作品では、あえて
それを行い丸まった頭蓋にしている。いろいろと応用ができそうなテクニックである。
図2の写真の左側なかほどの、写真の奥の方に、この紙の袖がかすかに見えている
(足等のカドの陰になっているので見えにくいけれども)ので、確認しよう。



また、横分子分解したものは図6になる。大きなカド2つと小さなカド6個以上が
用紙周辺部に配置されているパターンからカミキリムシ属に近いと思う、バッタの
大きなカドは足になり、カミキリムシの大きなカドは触覚になるという違いはあるが、
基本的には似ている。ただし、カミキリムシ属には胴に対応する大きなカドがあり、
これが用紙内部から折り出されているが、それが、帯領域に対して、大きなカド側に
くるか(バッタ)、小さなカド側にくるか(カミキリムシ)がちがっているので、
本当は別属に分けた方がいいかもしれない。