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=====無限折りとは ======
西川氏がトラの頭部で示したような、一つのカドを折っていって無限のカドを
折り出す技法。
この技法の開発のあたって、西川氏が念頭においていたことは
「頭部に必要な領域を展開図からある程度はっきりさせておいて、胴部の構
造に影響を与えることなく、頭部の領域がどれだけ多様に変化させられるか」
ということであった。この開発時のテーマは、設計法の感覚によるものといえる。
したがって、無限折りは、設計法全般との相性が良い。
次いで、このテーマを解決するために行なわれた方法は、
その問題解決に一番言い形を実際に折って求めるという実践的なものであった。
設計法だけを純粋に使った場合は、ある開発目標に対する、実際に折った場合の
最適の折り方は、しばしば盲点になって見逃されてしまう恐れがあるため、
このように、最初に展開図上で設計的なテーマを決めて、あとは実際に折って
一番よい形を求めるという方法は、成功すれば設計の幅を大きく広げることができる。
無限折りは、この典型例であって、無限折りを使うことによる設計上の利点は大きい。
具体的な使い方としては、無限折りを応用すると、小さな複数のカドを必要とする場合に
大きなカドを一個だけ考えればよいので、設計の負担を大幅に軽減できることを利用する。
昆虫を設計するときなど頭部を大きな一個のカドとして設計すればよいので大変便利である。
触覚とか目玉の造形に必要な小さなカドは、後から無限折りを適用すれば、
大きな一個のカドから、いくらでもできるのである。

無限折り的な折りかたはとらの頭部以外にも見られる。
有名なものはツルの基本形の中央部の小さなカド(これは風船の基本形と見なせる)
を小さなツルの基本形にするもので、更に新しくできた小さなツルの基本形の中央部の
小さなカドからより小さなツルの基本形を追っていくという操作で無限折りとなる。
これは4個の円領域が縦横相似型で次々と直行するという現象に対応する。
これに対し、とらの頭部の無限折りは用紙の角部分だが、これを4つの角を集めて
用紙内部の状態に「とらの頭部の無限折り」があるとするとすれば、
これは8個の円領域が縦横相似型で次々と直行するという現象に対応することになる。

西川氏の とら(新バージョンの折り方のほう) は無限折りには縁が深くて、
今までの頭部の無限折りとは全く別に、用紙中央部に、ツルの基本形の無限折りよりも、
もう少しこった無限折りの可能性が現れている(実際にこれがはっきり観察されるのは
 とら の基本形が完成する少し前の段階での展開図である)。
それはツルの基本形中央部での無限折りに相当するものを
 とら 中央部に現れる台形のカドでも実現できるのである。
これは6個の円領域が縦横相似型で次々と直行するという現象に対応している。


ここで上の図の、とら頭部の無限折りとツル中央部の無限折りを見比べると
8個の円領域が縦横相似型で次々と直行する場合(とら頭部)は円領域が小さくなる割合が小さいが、4個の円領域が縦横相似型で次々と直行する場合(ツル中央部)は円領域があっという間に0に収束してしまう。
このように、正円状に配置された円領域群が縦横相似型で次々と直行しながら
正円の中心に向かって収束するという型の無限折りにおいて、できるだけ大き目のカドを
たくさん折りだしたい場合は、配置する円領域の数をふやすのが、一つの方法である。
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