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===== 基本枝構造とは=== ===
折りたい対象物を樹状図であらわした構造。
たとえば、馬を折ろうとする場合の基本枝構造は図1のようになる。
馬を折るような場合は、カドの折り出しは、用紙の辺縁部からのみ
行うことでうまく行く。このような場合は図1のように、基本枝構造は
1個のまとまったもので、十分に表現される。

しかし、たとえば昆虫のように、用紙の辺縁部からのカド以外にも
用紙内部にある、中心線上からも適当な長さのカドを折り出すような
場合は、基本枝構造は、中心線上のカドに対応するもの1本、
左右の辺縁部からのカドに対応するもの一本ずつの計3本に
分割してあらわす必要がある。図2にその様子を示す。

図2をもとにしてカドの部分がはっきり判るように分解したのが図3
になる。

図3は、3本の基本枝構造からなっているので、頭のカドをあらわす部分も
3本に別れてしまっている。図4の上側の緑色の枠で囲ってある部分が
このことに相当する。同様におしりのカドも3本に別れてしまっている。

しかし、頭のカドは1個だけなのでできれば1本の線だけで表わしたい。
そこで、図4を図5のように描き改めることにしよう。
ついでにカドを表わす線分は深緑色で描くようにする。

図5では帯領域を表わす線分が3本あるのだが、このままだと目立たないので
図6のように橙色で描くことにしよう。
まとめると、円領域を深緑色で表わし、帯領域を橙色であらわすことによって、
JR宇都宮腺の電車のような美しい配色の図ができるのである、
って別に宇都宮線は関係ないじゃん。

6図のように描くと図2で表わされていた、各円領域や帯領域のつながり方が
わからなくなってしまう。
そこで図7のように各構成要素のつながりを示す灰色の線を加えることにする。
この灰色の線が実際の長さは無くてただ単につながっていることだけを示すこと
に注意してほしい。

以上の方法で、様々な複雑な折り方に対する基本枝構造を表現することができる。
もちろん、設計法に慣れた折り手にとっては、このような基本枝構造を
いちいち作ることははまどろっこしくて、たいていの場合はこの作業段階を
省いて、いきなり展開図の作成に入ったりする。人間が設計を行う場合は、
そうであってもなんら問題はない。
では、どういう場合にここで述べたような表現力を高めた基本枝構造が
役にたつのかというと、やはり大きいのは、コンピュータによる展開図作成アルゴリズムの
適用範囲を拡大するために、最初の入力構造としての用いるということである。
その他にも理論面とか、いろいろな場面で表現力の高い基本枝構造はなにかと
便利なので、興味のある方は、頭の片隅に覚えておいてほしい。
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