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=====第1話 ブタから馬へ======
設計は理屈がどうこうと言う前にまずは体で(っていうか感覚で)覚えるものです。
それはどういうことかと言うと、まずはどの程度の基本形からどの程度の形が折り出せるか
ということを感覚的に解っておきたいわけです。いってみれば基本形がどこまで活用できるか
という感覚を身に付けたいのです。この感覚は人それぞれですから、
決まった答えはありません。ただ自分自身の基本形活用能力がどの程度であるかは
知っておいてほしいのです。その基本形活用能力が低ければいくら設計でいい形を
折り出しても作品まで持っていくことが出来ません。逆に基本形活用能力が高ければ
設計はいい加減でもちゃんとした作品ができることになります。
ではこの文を読んでいる貴方の基本形活用能力はどの程度でしょうか。
これを測定するにはちょうどいい例題があります。ちょっと次の問題をやってみて下さい。

問題  ブタの基本形から出来るだけ写実的な馬を折ってください。

さあ、いかがでしょうか。

紙の重なりをあまり気にせず、とにかく写実的にしてみましょう。
一般には紙は効率的に使うのがよいのですが、それを気にする以前に、
どの程度の無理がきくかを知っておくことも、とても大事なのことなのです。
ポイントは沈め折りを有効活用することです。

一発の沈め折りをするだけで、カドの使い道がメチャクチャ広がります。
それで複雑系の作品では沈め折りの嵐が吹き荒れることもちょくちょくあります。
これが良いか悪いかは「うーむ」というところですが、まあとにかく便利なので、
沈め折りの効果は体で覚えておいてほしいところであるのです。

まあ、何はともあれ、実際に折った例を連続写真であげておきますので見てください。




ここで、いきなり荒技だっつ!!!
なんちゃって、単に胴体を短くするために段折りしただけです



ブタの基本型でも、ちょっと無理をすれば、このくらいは
折れて当然という感覚を覚えておいてください。
実際の作品の中でここまで無理をすることはまずありえませんが
こういう無理がきくということを知っていれば、結構、気楽に設計に
取り組めるわけで、この気楽にできるということがポイントだったりするわけです。
もしかして、ブタの基本型から馬が折れることに驚いた方もいるかも知れません。
そういう方は、実際に上の写真の真似をして折ってみてください。
なるべく大きな紙がよいです。細かいところの折り方がわからなかったら
適当に折ってください。
そうしたら、いかにこういう折り方が安直かお分かりいただけると思います。
確かに、慣れないうちは、ブタの基本型から馬を折ること自体に戸惑いを感じるかもしれません。
別に設計をする人が必ずしもブタの基本型から馬をすらすら折れる必要もないのですが、
そういうことが、実は結構簡単だという感覚は知っていてもらいたいものです。
創作が難しいという人の中には、カドの折り出し方とかを、妙に
まじめに考えすぎてしまっていて、きれいな長いカドを最初から折らなくては
いけないなどと考えている方も多いようですが
自分的にはそういうのは、ちょっと(ってゆーか、とんでもなく)違うと思います。
もちろん紙の使用効率を最大限に引き出すために,
細部まで注意を払って設計することも、特に複雑な作品を折ろう
と思ったらままありますが、全ての作品でそんな細心の注意が要るわけがありません。
もちろん、たとえば馬を設計する場合に、ちゃんとテマヒマをかけて設計すれば
ここで例にあげたものより、はるかに上質なものができます。
でも最初は、あまり高度なことを狙わなくても、いくらでもやりようはあるのです。
ブタの基本型のような一見短いカドでも結構なんとでもなる
という感覚を体で覚えることのほうが、設計の理論を頭で理解するよりも
はるかに役に立つ場合も多いのです。

*** ここで、ちょっと一言 ***
ぶたの基本型から、うまを折ろうとすると、首の長さが足りないと感じられたことと思います
こういう場合、思いっきり力技になるのですが、首を長くしようとするのではなく、
胴体をできるだけ小さくすることがポイントになります。
首の長さを変えなくても、胴体が半分の大きさになれば(これはただ折るだけでできます)
胴体に対する首の長さの比率は2倍になります。
胴体が1/3の大きさになれば、胴体に対する首の長さの比率は3倍になります。
これを果てしなく行うと胴体に対する首の長さの比率は無限大になるのですが、
まあ、さすがにこれはちょっと 。(^^;
ともかくカドの長さの比率を長くするのは、考えようによっては、いくらでも可能である
とはいえるのです。
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