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=====第3話 分子を体で覚えよう======
何も予備知識のない状態で、とにかくちょっと分子というものを見てみましょう。
第2話でも書きましたが、ビバおりがみ(前川作・笠原編著1983サンリオ)のなかで、
実質的に、各種の分子が使われていました(分子という名前がつけられたのは
それから約10年後ですが)。 では、実際にどのような分子が使われていたのでしょうか。
まずは、それを見てみましょう。

まず最初はやはり基本中の基本、直角二等辺三角形分子でしょう。
この形はすでにご存知かもしれませんが、もし初めて見たというなら、
この形をお目目に焼き付けておきましょう。
色々なところにこのパターンが出てくるのですが、たとえば、魚の基本形を半分にした形
はまさに、この直角二等辺三角形分子です。



次はこれまた基本中の基本、長方形分子です。下図の黄色く塗った分子は、第1話や第2話で
扱っていますので、すでによくご存知かと思います。しかし下図の右側の分子はご存知でしょうか?
これは長方形分子に沈め折りをしただけのパターンなのですが、意外と最初のうちは、
このパターンが長方形分子の変形であることに気づかないことも多いようです。
ここで、しっかり左側と右側の分子が同じパターンであることを感覚的に納得してください。
実際に折ってもらえばすぐわかります。




次はちょっと形が変形していますが基本的には長方形分子を変形させたとみなせる
切り出しナイフ型分子です。左側の黄色いのが基本パターンで、右側のは
沈め折りが入っていますが、まあ同じパターンです。



次は第二次三角形分子です。ちょっと分子の色を変えてみました。
それは理由があるのですが、とりあえず、細かいことはおいといて、
この形をこれまた目に焼き付け、手で折りかたを覚えておいておきましょう。
前川方式の特徴をなす分子で、極めて目にする機会が多いものです。



今度は第一凧型分子団です。それにしてもこの命名センスって(爆)。
ま、それはともかくとして、この分子は、使いでがあります。とりあえず、
複雑な作品を設計したい人はこの分子を使うと良いでしょう。



さて、以上で、5種類の分子が出てきましたが、とにかく、この5パターン
は目に焼き付けて、折り方を手で覚えておいてください。
これさえできれば、設計を行うための基本は全て終わりです。
ここでの第1話から第3話までのことを体で覚えれば、
その他の知識はとりあえずは、全く、いっさい、全然、これっぽっちも
必要ありません。
あとは、分子を適当に組み合わせることを繰り返して 、操作に慣れれば何でも折れるようになります。
こんな感じで、折紙設計って、非常に気楽に行うことができることがお分かりいただけると思います。
折紙設計というと何か難しい特殊な技法と思われることが多いのですが、
それは、はっきりした間違いです。
確かに設計法の方法論自体を発見し、誰でもできるように普遍化し、整備することは非常に大変なことで、
それは前川さん以外の誰もできなかったことではあるのですが、そのこと、
つまり、設計法自体を作り上げることと、設計法をとりあえず使ってみるということは全く別のことです。
険しい山岳地帯に舗装道路を作ることは命がけの大事業ですが、いったん道路ができてしまえば、
その上を走ることはピクニック気分の家族連れでも簡単にできるのです。
設計法という技術が広まったということは、多くの創作家にとって折紙の世界の
様々な場所に気軽に行くことができる道路ができたというようなことなのです。
設計法というものの意義は、そういう気楽なピクニック気分で創作ができる
ということなのです。もちろん、そうやって到達した折り紙世界の先々で、舗装道路からおりて、
泥沼の中をつっきったり、自分で道路を作りだしたりすることもそれはそれで
楽しいことではあるのですが、とりあえず設計を試したいという人はそんなことをする必要は一切ありません。
気軽にサンダル履きで折紙山を探検するのもまた楽しいと私はおもうのですが、どうでしょうか?。
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